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オークネット総研ニュースレター配信  ~世界の中古スマートフォン流通市場の実態を探る~
第3回:中国における中古スマートフォン市場の存在

 2015年11月17日

 情報流通支援サービスの株式会社オークネット(本社:東京都港区/代表取締役社長:藤崎清孝/URL:http://www.aucnet.co.jp)は、運営する『オークネット総合研究所』(所在地:東京都港区/代表理事:山内 良信/URL:http://www.aucnet.co.jp /aucnet-reseach/)より、「中古スマホ流通」に関する第3回ニュースレターを配信いたします。 本コラムは、モバイル研究家・木暮祐一氏に調査を依頼し、その実態をニュースレターとして月1~2回のペースで配信していくこととなりました。
 第3回は、香港から中国・深センに移動し、中国における携帯電話やスマートフォンの販売事情についてレポートいたします。

1. 香港から中国へ、そこにはまだ大きな世界の隔たりがあった

 第2回のレポートでは香港で行われていた中古スマートフォン(以下、スマホ)の買付業者向けオークションを取材し報告した。せっかく香港まで足を運んだので、日帰りで隣接する中華人民共和国(以下、中国)側にも入国し、当地のスマホ販売や中古端末流通の最新事情にも迫ってみることにした。

 1997年7月にイギリスから中国に返還され特別行政区となった香港であるが、香港特別行政区基本法のもとに現在も高度な自治権を有している。しかし隣接する中国へは入境のためのゲートを通過する必要こそあるが、現在では鉄道や自動車で簡単に行き来できる時代となった。中国は香港に比べると物価も安いということもあり、香港住民が深センにショッピングに訪れることも多い。
 一方で、隣接する中国側の住民が香港に押し寄せてきて高品質な香港の日用品を “爆買い”するために香港住民に必要な日用品が不足するという事態も起こり、本年春から中国側からの入境者に対する規制も導入されているようだ。参考までに香港の人口は約700万人だが、2014年だけで中国本土から香港への入境者は推定4,700万人に上るという(AFPの報道より)。

 今回筆者は香港側からタクシーをチャーターし、通訳やガイドの方と共に中国・深センを目指した。香港中心部から高速道路を40分も飛ばせば中国との国境にたどり着く。高速道路の料金所のようなゲートを2つ(香港出境ゲートと中国入境ゲート)越せば、そこは共産主義国家の中国である。左側通行だった道路はゲートを境に右側通行に変わり、また高速道路の車線の広さや中央分離帯に延々とたなびく中国国旗に異国に来たことを実感させられる。

写真1.2

写真3.4

 香港の新界と接する中国側の都市・深センは、中国の経済特区に指定されている人口1,300万人を超える都市となっている。香港と隣接するという地理的重要性から1979年に市に昇格、1980年には経済特区に指定され急速な発展を遂げた。九龍半島の西側付根部分に位置し、塩田港など巨大なコンテナ港湾を有し、その港湾コンテナ取扱量では世界第3位(2013年のデータ)となっている。北には“世界の工場”として知られる広東省東莞市があり、この地理関係から電化製品や情報通信関連機器の巨大市場が形成され、2009年現在、上海市、北京市、広州市に次いで、中国大陸第4位の市内総生産(GDP)を誇る。

 この深センの現代を象徴するのが世界最大と言われるようになった電気街「華強北」である。地下鉄「華強路」駅のあるメインストリート・深南中路には、正規メーカー製品の家電品やスマホなどの情報通信機器などの新品が並ぶ店舗や通信事業者窓口などが軒を連ねる。そして深南中路の北側に入ると商業ビル十数棟が並び、それらビルの中に小さな商店がひしめき合うように入居しているのである。その広大さや商店数には圧巻される。

写真5.6.7

 筆者は、中国の携帯電話事情に詳しい関係者から、中古スマホを扱うマーケットに関する情報をたびたび得ていた。日本では中古携帯電話や中古スマホというと、取り扱っている店舗もまだまだ少なくマイナーなイメージが強いが、世界では以前から中古携帯電話・スマホ流通市場が形成されていた。とくに中国の場合は北京や上海、広州、深センなど大都市には必ず巨大な中古マーケットが存在し、中国各地からスマホやアクセサリーなどを仕入れにやってくる業者向けの販売と、個人の消費者への販売の両方を行っていた。
 筆者もかつて北京や上海の中古マーケットを取材したことがあったが、中国の中古マーケットはその人口規模を考えれば世界最大規模である一方で、その印象は世界のマーケットと比べ異質な雰囲気を漂わせるややアンダーグラウンドなイメージを抱かざるを得ない。

 そして深センの中古マーケットであるが、深南中路から北側の、メインストリートから1ブロック奥まったところにある多数の商業ビル内で展開されていると聞いていた。このエリアは「通天地市場」と呼ばれ、以前から新品・中古の携帯電話等を扱うマーケットとして関係者にはよく知られていたエリアという。

2. ビルの上階に上がるにつれ専門性が高まる商店が密集

 そのエリアにある商業ビルのひとつに入ってみた。1フロアに100軒を超すのではないかというほど多数の商店が並んでおり、新品・中古スマホ本体やアクセサリーなどが販売されていた。1階はアクセサリーや、メーカー物の新品スマホなどの販売店舗が多数並んでいた。こうした市場では仕入れにやってくる業者向けと個人の消費者への販売が行われていることは前述したが、まず通りすがりの顧客が入りやすい1階は一般の消費者向けの店舗が多いといった印象である。

 主要メーカーの新品・中古スマホを並べる店舗もあれば、メーカー不詳の見たこともない端末を扱う店舗も数多い。中国では以前から山寨機と呼ばれるノーブランドの携帯電話が市場に流通していたが、スマホの時代になってもこうした端末が数多く生産され、このような商業ビルから市場に流れていくようである。かつて山寨機といえば既存ブランドの携帯電話やスマホを模倣したいわゆるニセモノ品が多く、問題となっていた。しかし最近ではオリジナルの商品も多数あり、たとえば昨今のウェアラブル端末ブームに乗って腕時計型の携帯電話やスマホも多数ショーケースに並ぶなど、目を楽しませてくれた。また、スマホ関連のアクセサリー等を扱う店舗も数多く軒を並べていた。

写真8.9.10

写真11.12

写真13.14

 そして、この商業ビルの上階に昇るに従い、軒を並べる商店の取扱商品は業者向けの雰囲気が高まっていく。たとえば1階では来店者に取扱商品が見えやすそうに展示されているが、上階ではスマホがまるで延べ棒のように山積みにされるようになる。またスマホの修理用部材を扱う店舗も増えていく。来客の様相も変わってくる。1階ではカップルや家族連れなど一般の消費者も多かったが、上階に上がるほど来客も業者ばかりになっていく。次回は、この上階で行われている業者向けの商店の様子をレポートさせていただく。

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 1967年、東京都生まれ。黎明期からの携帯電話業界動向をウォッチし、2000年に(株)アスキーにて携帯電話情報サイト『携帯24』を立ち上げ同Web編集長。コンテンツ業界を経て2004年独立。2007年、「携帯電話の遠隔医療応用に関する研究」に携わり徳島大学大学院工学研究科を修了、博士(工学)。スマートフォンの医療・ヘルスケア分野への応用をはじめ、ICTの地域社会での活用に関わる研究に従事。モバイル学会理事/副会長、ITヘルスケア学会理事。近著に『メディア技術史』(共著、北樹出版)など。1000台を超えるケータイのコレクションも保有している。

<オークネット総合研究所 概要>
 当総合研究所は、1985年に世界初の中古車TVオークション事業をスタートし、以来30年にわたりオークションを主軸とした情報流通サービスを提供するオークネットグループが運営。これまで培った実績とネットワークを活用し、専門性、信頼性の高い情報を発信することで、更なる業界発展に寄与することを目指しています。

所在地:〒107‐8349東京都港区北青山二丁目5番8号 青山OMスクエア
代表理事:山内 良信
U R L:http://www.aucnet.co.jp/aucnet-reseach/

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<本件に関するお問合せ>
株式会社オークネット 広報担当:降旗(フリハタ)
TEL:03-6440-2530  E-MAIL:request@ns.aucnet.co.jp

※本資料を利用される際は、オークネットにご一報の上、提供元を「オークネット総合研究所」と明記して、ご利用ください。



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