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オークネット総研ニュースレター配信  ~中古車流通を支える品質管理の最前線に迫る~
第4回:ハイエンド輸入車販売店とAISについて

2018年10月9日

 オークネット総合研究所(所在地:東京都港区/理事長:佐藤 俊司/URL:http://www.aucnet.co.jp/aucnet-reseach/)は、B to Bネットオークションを主軸とした情報流通サービスを提供するオークネットグループが運営し、独自の調査レポートなどを発表してまいりました。当レポートは、中古車流通市場や品質管理に関し、モビリティジャーナリスト・森口 将之氏に取材・調査を依頼し、ニュースレターとして配信するものです。
 第4回では、主に外国製スポーツカーや高級セダン取り扱う独立系の中古車販売店を取材し、高い品質とサービスを保つ同店の取り組みとAISの活用についてレポートいたします。

1. 専門性の高い中古車販売店は、幅広い知識で顧客のニーズに対応

 オークネットが設立した中古車検査専門会社 AIS と6社会(トヨタ自動車・日産自動車・本田技研工業・マツダ・SUBARUの中古車専業会社とオークネット)が構築した「6社統一検査基準」は、本コラムの第2回で登場した東京スバルをはじめとする国内主要自動車メーカー系中古車販売店で活用されているほか、第3回で紹介したように中古車情報誌カーセンサーでも「カーセンサー認定」として評価基準に組み込まれている。
 さらにAISは、独立系の中古車販売店でも幅広く活用されている。それも販売台数が少なく価格が高い外国製スポーツカーや高級セダンなどを取り扱う、専門性の高い販売店でも使われている事例がある。
 オートオークションの普及によって、SUVやワンボックスなど、特定の車種のみを取り扱う中古車専門店が増えていることについては以前も紹介した。しかし一方で前述したとおりAISは、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、マツダ、SUBARU の中古車事業会社がAIS に出資していることでも分かるように、国内メーカーが日本で販売する量産車をメインとしている。
 ではなぜ外国製スポーツカーや高級セダンを主力として取り扱う専門店が、AISに目を向けているのか。栃木県宇都宮市にあるプロスパーインターナショナルに伺い、営業担当の高橋朗(あきら)氏に話を伺った。
 プロスパーインターナショナルの店舗は、JR東日本宇都宮駅から南へ2kmほどの場所にあり、旧国道4号線に面している。周辺には日本車や輸入車を取り扱うディーラーを何軒も見ることができ、自動車関連の商業施設が集まる通りであることが分かる。

 プロスパーインターナショナルが創立したのは今から20年ほど前で、当初は宇都宮市内の他の場所に店舗を構えており、13年前に現在の場所に移った。
 同店が重視していることとして、高橋氏は人のつながりを挙げていた。移転前から外国製スポーツカーや高級セダンなどの取り扱いは多かったそうだが、購入者が他の顧客を紹介することが続き、次第につながりが増えているという。
 スタッフは5名で、高橋氏は今の場所への移転と同時にスタッフに加わった。それまでポルシェやBMWのディーラーに勤めていた経験を買われたようだ。



 モダンなデザインのショールームは大きなガラスで覆われており、外からも展示車両を目にすることができる。磨き込まれた床の上に、フェラーリFF、アストンマーチン・ヴァンテージ、ポルシェ911、マセラティ・レヴァンテが並ぶ光景は壮観のひとことだ。

 中に入るとコミュニケーションロボットのPepper君が出迎えてくれた。栃木県で最初にPepper君を導入したのは同店だそうだ。
 ショールームの脇にも展示場があり、こちらにはポルシェのボクスターやケイマンが5台も並べてあった。さらに奥の建物の中には、ロールス・ロイス、マイバッハなどの超高級セダンが格納してあった。ウインドスクリーンの内側に掲げられたプライスボードには、1,000万円以上の数字が記されてあって圧倒された。

 こうした車種は当然ながら、顧客の買い方も100万円以下で買える日本車の中古車とは異なるのではないだろうか。高橋氏に訊ねると、次のような答えが返ってきた。
 「お客様が車種を選び、お店を選んで買いにくるケースが多くなっています。複数の車両を比較して買うことはあまりありません。だからこそ説明が大切であると考えています。ご覧になってお分かりのように取り扱う車種は多様ですので、数多くの知識を身に付けていなければなりません。車種によってコンディションの見方も違いますし、すべてを覚えるのは大変です。」
 特定のメーカーに絞ったほうが業務は楽になるだろう。しかしながらプロスパーインターナショナルでは、むしろ特定の車種に絞ることは避けており、幅広い取り扱いを心掛けていると語っていた。
 顧客は自営業の方が多く、若い方もいるという。取材に訪れた平日の昼間も、若い男性2人組が訪れていた。自営業の方が多いということで、リースをはじめ金銭的・運用的な相談も多く寄せられるとのことだった。こうした分野の知識も必要とされることになる。
 昔から埼玉県にはポルシェのディーラーがあったこともあり、隣県の栃木県内にも外国製スポーツカーや高級セダンのユーザーは以前からある程度存在していたという。この点では同じクルマ社会であっても東北地方とは違う状況にあると、ポルシェのディーラー勤務経験もある高橋氏は話していた。
 その一方でプロスパーインターナショナルは県外の顧客も多い。北は北海道から南は沖縄まで取引の実績があるという。少量車種を指名して買うというスタイルが多いので、このような状況になるということだった。
 ちなみに現在の売れ筋は、スポーツカーではそのポルシェ、セダンではメルセデスやBMWのディーゼルエンジン搭載車が多いらしい。ドイツ車は外国車の中では手が掛からず、実用的であるところなどが理由になっているようだ。ディーゼル車については、クルマ社会である土地柄、東京などよりも走行距離が多く、燃費の良さが重視されることも関係しているだろう。
 高級セダンはスポーツカーとは客層は違うということだが、ロールス・ロイスは近年、専属の運転手がステアリングを握るショーファードリブンよりも、趣味としてオーナー自身が運転するというパターンが多くなっているという話だった。

2. スタッフの高い技術と❝第三者検査❞AISの信頼性により、車両のコンディションを保つ

 そんなプロスパーインターナショナルが、なぜAISとのつながりを持つことになったのか。高橋氏は次のように解説していた。
 「オークネットとは15年前からつながりがあります。仕入れの窓口を広げるためというのが当初の理由でしたが、信頼性もポイントに挙げられます。在庫を店頭に置いたままオークションに掛けられることも良いと思っています。販売車両をオークション会場まで持っていくと汚れたりすることもあるためです。商品ですからこの点はとても大事です。」
 高額車両だからこそ、取り扱いには気をつかうはずだ。走行中の飛び石による傷はもちろん、雨天時についた汚れも、元の状態に回復させるには大変な作業になる。しかしインターネットオークションが、こうした高価格車の取引にも利点を生み出していることは初めて知った。
 オークネットのインターネットオークションの利用を通じて感じた信頼性に加えて、プロスパーインターナショナルがAISの利点として挙げたのは、第三者の検査であるというところだった。この点は東京スバルやカーセンサーからも聞かれたことであるが、第三者検査であることも信頼性につながると話していた。
 とりわけAISは、フレームの見方などで信頼が置けるとのことだった。逆に少量生産の車種の専門的な部分は自分たちの方が知っていることもあるとのことで、意見交換を行いながら検査を進めていると語っていた。
 プロスパーインターナショナルにはもちろん、整備士や査定士の資格を持っているスタッフがおり、従来はこうしたスタッフの経験をベースにして商品を仕立てていた。自社工場を持ち、鈑金修理も社内で行えるほどであり、こうした部分も信頼の証になっている。そこにAISの検査が加わったことで、安心感がさらに増しているのではないかという話だった。

 ただし展示車両のプライスボードにはAISの表示はしていない。同店はカーセンサーにも情報は掲載しているが、ここでもAIS検査の結果は出していない。そこにはプロスパーインターナショナルならではのこだわりがあった。
 高橋氏によると「すべての車両が極上のコンディションなので、点数を掲示することはあまり意味がないように感じたし、ロールス・ロイスのような車種を何点とジャッジするのはナンセンスに思えたので表示をしていない」という。
 このことは、展示されている車両を見れば理解できる。つまりプロスパーインターナショナルの展示車両はすべて、AISでは最高レベルの点数を与えられていることが想像できる。
 自動車以外でも最上のモノに囲まれて生活を送っている人たちを相手にするわけで、こうした人たちに失礼に当たらないコンディションに仕上げなければならないという言葉は、説得力のあるものだった。

 

 今回プロスパーインターナショナルを訪れて印象的だったことのひとつに、顧客が帰る際、スタッフが顧客の姿が見えなくなるまで見送っているシーンがあった。顧客を何よりも大事にし、顧客と店舗、そして顧客同士のネットワークを重視していることが伝わってきた。
 こうした販売店には、たしかに車両のコンディションを数字でアピールすることは不釣り合いかもしれない。しかし一方で、販売車両のコンディションを高めるためにはAISが必須であると判断し導入している。
 表示なしでの使用を認めているAISの対応にも感心したが、それ以上に高価な外国製スポーツカーや高級セダンを取り扱っている販売店ならではの、顧客への気配りと経営へのこだわりを感じた。

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筆者

著者:森口 将之(もりぐち まさゆき)
モビリティジャーナリスト・株式会社モビリシティ代表取締役

 1962年東京都生まれ。早稲田大学卒業。自動車専門誌編集部を経て1993年にフリージャーナリストとして独立。自動車分野では自動運転からクラシックカーまで幅広いジャンルを担当し、新聞、雑誌、インターネット、ラジオ、テレビなどで活動中。自動車以外の交通事情やまちづくりなども精力的に取材しており、2011年には同分野でリサーチやコンサルティングを担当する会社、株式会社モビリシティを設立。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。日本自動車ジャーナリスト協会、日仏メディア交流協会、日本福祉のまちづくり学会、各会員。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「富山から拡がる交通革命」(交通新聞社)「これから始まる自動運転 社会はどうなる!?」(秀和システム)など。

<オークネット総合研究所 概要>
当総合研究所は、1985年に世界初の中古車TVオークション事業をスタートし、以来30年にわたりオークションを主軸とした情報流通サービスを提供するオークネットグループが運営。これまで培った実績とネットワークを活用し、専門性、信頼性の高い情報を発信することで、更なる業界発展に寄与することを目指しています。

所在地:〒107‐8349東京都港区北青山二丁目5番8号 青山OMスクエア
理事長:佐藤 俊司
U R L:http://www.aucnet.co.jp/aucnet-reseach/

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<本件に関するお問合せ>
株式会社オークネット 広報担当:土屋 貴幸、吉岡 基樹
TEL:03-6440-2530  E-MAIL:request@ns.aucnet.co.jp

※本資料を利用される際は、オークネットにご一報の上、提供元を「オークネット総合研究所」と明記して、ご利用ください。



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