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オークネット総研ニュースレター配信  ~世界の中古スマートフォン流通市場の実態を探る~ 第14回:国内における中古スマートフォン流通、その後の動向(1) ~端末買取り市場は今後一段と拡大を見せる~

 2017年10月31日

オークネット総合研究所(所在地:東京都港区/理事長:佐藤 俊司/URL:http://www.aucnet.co.jp /aucnet-reseach/)は、BtoBネットオークションを主軸とした情報流通サービスを提供するオークネットグループが運営し、独自の調査レポートなどを発表しています。当レポートは昨今注目される中古スマートフォン市場に関し、モバイル研究家・木暮 祐一氏に取材・調査を依頼し、ニュースレターとして不定期で配信しているものです。
これまで当レポートでは、国内外の中古スマートフォン流通をめぐる実態に迫ってきました。2017年3月には中古端末流通の普及や健全化を目指したリユースモバイル・ジャパン(RMJ)が発足するなど、中古端末流通をめぐる動きが活発化しつつあります。そこで再び国内市場の最新動向に目を向けます。中古端末をめぐる買取の動き、販売の動き、そして端末修理の現状という流れで今後3回に分けて報告いたします。

1. 中古端末買取の市場概況

株式会社ゲオは8月22日、買替えなどで使われなくなり自宅に保管している携帯電話(ゲオではこれを「埋蔵携帯」と名付けた)の価値を試算した結果、総額1兆7,013億円にのぼるということを発表した。これは関西大学の宮本勝浩名誉教授協力のもと、1人当たりの平均携帯保有台数から平均契約携帯台数を差し引き、日本における実際に携帯電話を保有している人数を掛けたものを『埋蔵携帯台数』と試算し、これに中古端末の平均買取価格を掛けて算出した金額としている。ゲオでは同様の試算を2015年にも実施しており、その際の調査結果は総額1兆6,489億円で、今回はこれを約500億円上回ったことになる。

オークネット総合研究所の調査(2016年)※でも、使用していた携帯電話等の処分方法について59.6%のユーザーが「自宅に保管している」と回答しており、すなわち6割近くの端末が中古端末として再流通することなく、自宅に眠っていることになる。スマートフォン(以下、スマホ)は、新品端末の価格が年々高価になっており、これに伴って中古端末としての価値も徐々に高まりつつある。中古端末買取、販売事業者にとってはユーザーの自宅等に潜在的な商材がまだ数多く眠っていると考え、こうした端末が市場に流通することでさらに大きくマーケットが成長するものと期待をこめている。
※「携帯電話に関する意識調査
 中古端末買取・販売事業者の業界団体であるリユースモバイル・ジャパン(以下、RMJ)は、会員企業の店舗においてユーザーから買い取った端末の台数や平均買取価格を定期的に公表している。RMJの最新公表データによれば、2017年9月においてRMJ会員企業の店舗で買取した端末の台数は18,491台で、新機種投入前の端境期に突入し買取数が低調に推移してきたが、iPhone新機種の発売に伴うセールスプロモーションの影響で大幅に回復を見せている。

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RMJの代表理事企業・株式会社携帯市場 代表取締役 粟津浜一氏は、「中古携帯端末の買取・販売価格は、中古車や中古パソコンに比べ新製品のリリースや通信事業者の施策、ユーザーの端末買替え時期など様々な要因が影響し日々変動する“生モノ”といえ、取り扱いが難しい商材でもある」と説明する。

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「端末買替えが増加するボーナス商戦期や新年度を迎える春先、そしてiPhone新機種が発売される秋などに端末買取も増加する。とくにiPhoneの新機種発売のタイミングというのは、今やそれに合わせて業界が動いているというほど関係事業者にとって影響の大きいものである。わが国ではiPhoneが市場シェアの50%近くを占めているわけで、iPhoneの動きに合わせて業界が動くというもの当然のことといえる。」(粟津氏)

端末買取・販売に関してもiPhoneは価格が安定しており、RMJでは買取価格変動の指標としてiPhone 5s以降に発売されたiPhoneをサンプルとして、RMJ加盟企業の平均買取価格について調査を行い、その価格も公表している。これによると端末買取価格はほぼ横ばいに推移しており、8月には新機種発表に伴ってiPhone 7/7 Plusの2機種が大幅に下落したものの、9月には4月時点と同程度にまで回復を見せた。買取価格は時間とともに引き下がっていくイメージが強いが、実際には市場で流通している端末の在庫量の影響を受け、ときには買取価格が上昇することも珍しくない。

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前述の埋蔵携帯に関するリリースを行ったゲオは、DVDレンタル事業を軸にしたゲオショップ、総合リユース店セカンドストリートなど、全国約1,600店舗を展開し、それら店舗で端末の買取や販売も行っている中古端末流通の大手である、株式会社ゲオ マルチプロダクト事業部 ゼネラルマネージャー 富田浩計氏によれば「中古端末の買取、販売とも確実に増加傾向にある」という。

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「当社は端末の買取から中古端末としての販売までを一貫して自社で行なっている。中古携帯電話の買取に関しては、2009年8月に3店舗からスタートし、2013年には全国のゲオに拡大した。2013年の買取数量は312,000台。また2014年からは携帯端末の買取を行なっているという認知向上のための“壊れていても買取します”というキャンペーンを展開し、買取数量が大幅に増加した。2015年、2016年ともおよそ100万台の買取数量となっている。」(富田氏)

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このうち、ゲオの場合は買取端末のうちAndroidが約5割、iPhoneが4割強、残りがフィーチャーフォンということである。また、“壊れていても買取します”キャンペーンにより破損端末も買取るようになったため、買取端末のうち約6割が再整備の上で再販し、残りは部品取りなどの需要で売却されていくという。
富田氏いわく、「当社の中古端末販売台数もおよそ100万台となっており、とくにMVNOの利用の増加とともに端末だけが欲しいという需要がイノベーター層を中心に拡大している。このため中古端末販売は好調で、正直なところ販売用の中古端末がもっと欲しいという状況である。買取台数が増えれば、それだけ中古端末販売も確実に増やせる。」と、中古端末流通市場は大きな伸びが期待できる一方で買取の部分で伸び悩んでおり、ユーザーが買替え後に自宅保管してしまっている潜在的な端末が市場に放出されることに期待をこめる。同社の埋蔵携帯に関する調査レポートも、ユーザーに買取店に足を運んでもらうきっかけとなることを期待したものである。

2. 大都市圏よりも地方での買取需要に期待が持たれる

東京では、たとえば秋葉原や池袋などでは街中に多数の携帯電話買取店の看板を見かける。こうした大都市圏こそ端末買取における巨大市場と思われがちであるが、商圏に対して店舗数が多いためにビジネスとしては苦戦を強いられるという。前出の携帯市場では、首都圏に数店の買取・販売店舗を展開しているが、「店頭での買取はそれほど多いものではなく、当社買取数のうち2割程度で、約8割はそれ以外の仕入れルートに依存している」(粟津氏)という。ゲオも同様に「買取に関しては郊外や地方、大都市圏は販売先行」(富田氏)である。

ユーザーの多くは、端末の買替え時にキャリアショップで端末を処分するケースが多い。買取店が多い大都市圏では、ユーザー自身がキャリアショップと買取店のどちらで端末を処分したほうが得なのかを調べ、有利な方に持ち込んでいる。一方で、そもそも買取店が無かった地方都市では、不要な端末は買替え時にキャリアショップで処分するという流れがユーザーの間に定着してしまっている。こうした商圏こそ、今後買取店が進出して成功できるチャンスがある。

札幌市と福岡市で携帯電話買取店「モバイルステーション」を出店する株式会社パステックも、地方都市での買取需要に着目し業績を伸ばしてきた。

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「当社は2010年に札幌市に買取店を出店し、成長を遂げてきた。2014年には福岡市にも出店して事業を行なっている。買取と販売の両方を手がけるが、店頭では買取のみの取り扱いで、販売はオンラインによるものが主体となっている。自社ではオンラインストアは持たず、楽天市場やヤフーショッピング等のオンラインショッピングモールに出店しているストアや、ネットオークションなどに出品して端末販売を行っている。」(株式会社パステック 代理店事業部 黒川一洋氏) 「当社の概要だが、札幌と福岡の両店を合わせ、従業員数約20名(アルバイトも含む)、買取実績は3〜5,000台/月である。一定規模の人口がある地方都市で、かつ競合店数が少なければそちらのほうが、競合が多い大都市圏よりもビジネスになる。もともと札幌市で創業したが、札幌市と同規模の都市として福岡市にも出店。現在では札幌とほぼ同規模のビジネス展開に至っている。」(株式会社パステック 営業事業部 宮地洋史氏)

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3. 買取事業者の端末仕入れ手法

ゲオは全国を網羅する店頭での買取が主体だが、それはDVDレンタルや総合リユース事業の一環として行えるので事業継続ができる。では携帯端末買取を専業として店舗を構える事業者はどのようにしてビジネスを成り立たせているのだろうか。

パステックの「モバイルステーション札幌店」の場合、店頭への来店者数は1日平均10数人程度で、じつは端末の仕入れ(買取)は同社が提携する買取代理店経由のものが7割を占めている。 「じつは札幌も福岡も転勤族が多い都市で、仕事の都合で一定期間住まわれた方が家財等を処分していくというニーズから、他の都市に比べるとリサイクルショップも多い。また、九州では質屋も多い。こうしたリサイクルショップや質屋等と代理店契約を結び、携帯端末の買取をお願いしてきた。」(パステック・黒川氏)
「iPhoneを中心に頻繁に最新買取価格や買取をめぐる動向を代理店にメール等で配信し、買取を促している。リサイクルショップの中には、買替え頻度も高い携帯電話やスマホの買取に着目し、他の商材よりも熱心に扱ってくれるショップも少なくない。代理店は、当社の営業担当者が順次開拓を行なっており、取引先は全国に広がっている。また、ヤフオクなどオンラインオークションにも目を光らせ、出品数の多い個人などにもアプローチして代理店になってもらう事例も多い。」(パステック・宮地氏)

パステックと同様に、携帯市場も代理店網を構築することで端末仕入れルートを確保している。 「当社の場合、リサイクルショップやチケットショップなどを中心に、約700店舗と代理店契約を結び、携帯端末の買取網を構築している。自社サイトや店頭での買取は2割程度で、約8割はこれら代理店からの仕入れとなっている。」(携帯市場・粟津氏)

このように買取られた端末が、その先に中古商品としてどのように販売されていくかは次回のレポートでご報告したい。

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 1967年、東京都生まれ。黎明期からの携帯電話業界動向をウォッチし、2000年に(株)アスキーにて携帯電話情報サイト『携帯24』を立ち上げ同Web編集長。コンテンツ業界を経て2004年独立。2007年、「携帯電話の遠隔医療応用に関する研究」に携わり徳島大学大学院工学研究科を修了、博士(工学)。スマートフォンの医療・ヘルスケア分野への応用をはじめ、ICTの地域社会での活用に関わる研究に従事。モバイル学会理事/副会長、ITヘルスケア学会理事。近著に『メディア技術史』(共著、北樹出版)など。1000台を超えるケータイのコレクションも保有している。

<オークネット総合研究所 概要>
 当総合研究所は、1985年に世界初の中古車TVオークション事業をスタートし、以来30年にわたりオークションを主軸とした情報流通サービスを提供するオークネットグループが運営。これまで培った実績とネットワークを活用し、専門性、信頼性の高い情報を発信することで、更なる業界発展に寄与することを目指しています。

所在地:〒107‐8349東京都港区北青山二丁目58号 青山OMスクエア
理事長:佐藤 俊司
U R L:http://www.aucnet.co.jp/aucnet-reseach/

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<本件に関するお問合せ>
株式会社オークネット 総合企画室:土屋 貴幸、吉岡 祐二、伊藤 慶子
TEL:03-6440-2530  E-MAIL:request@ns.aucnet.co.jp

※本資料を利用される際は、オークネットにご一報の上、提供元を「オークネット総合研究所」と明記して、ご利用ください。



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